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戦後50年の1995年末、時の流れとともに風化していく恐れのある、特に戦前、戦中の日露(日ソ)関係史を身を以って生きて来られた方々のお話をテープに記録し、保存することを目的に当会は誕生しました。(発足当初の名称は、「日露関係オーラルヒストリー調査会」、後に現在の名称に変更)
この会の設立趣意書は、要約すると次のようになります。
- 日露関係においては、様々な事実が意図的に隠されてきた例が多く、殊に日本とソ連の間に緊迫感が漲った第二次世界大戦の前、その期間中、その直後に様々な面でこうした「封印された事実」が集中している。これらを「開封」することによって、新生ロシアの誕生を契機とした新しい日露関係を模索することへの障害を取り払いたい。
- これまでの日露関係史を生きてこられた関係者が高齢になられ、この歴史の空白やすきまを埋める機会が次々に失われるなかにあって、政治外交、軍事、文化、宗教、経済など広範な分野の関係者が話される歴史を聞き取り、その録音を保存する。
2006年1月末『日露オーラルヒストリー ―はざまで生きた証言―、日本対外文化協会、日露歴史を記録する会(=日露オーラルヒストリーの会)編(A5版、280頁、定価2800円+税)が東京の出版社、
彩流社より発売された。
同書は、日露オーラルヒストリーの会が10年ほど前から取り組んできた聞き取り調査の中から5名のそれぞれ異なった経歴や地理的な広がりのある方をえらび、2年以上かけて時代背景を知り、話の理解を助ける詳細な註を加えて1冊の本にまとめたもの。5名それぞれの生涯には歴史のうねりが各々刻印をつけていることが読み取れる。この本は、多面的にロシア理解を深める助けとなり、また中国、朝鮮、満州、ソ連など日本の近隣諸国との過去および現在の関係のあり方を考える上で多くの示唆が得られるものとなっている。
次の5名の方々のオーラルヒストリーが本書には収録されている。丹羽新一郎氏(1908年大連生まれ、満鉄調査部で勤務し、ソ連で抑留生活を送った後、伊藤忠で働いた)、エドガルス・カッタイ氏(1923年生まれ、ハルビン育ちで、満州国の大学、北満学院で学び、満州、ソ連、中国、ラトビアと多数国とのかかわりを持ってきたラトビアの日本語専門家)、スドウ、ミハイル・マサオヴィチ氏(ソ連に亡命した日本人とソ連人の母との間に生まれ、スターリン時代の「人民の敵」として苦労し、地質学者となり、両親の名誉回復を粘り強く勝ち取った)、片山醇之助氏(1914年生まれ、ハルビン学院を卒業後、リガで日本外務省の留学生として学んだ元外交官。退官後に、ロシア語の名著を復刻するために会社を設立)、早川徹さん(1911年まれ、戦中のサハリン領事館、モスクワ大使館勤務の勤務を経て、戦後読売新聞社に入社し、ロシア語のできる最初の記者としてモスクワ支局長となり、戦後のソ連の動きを報道した)
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